no.062
アニッシュ・カプーア
Anish Kapoor
size
2500x4500x2300㎜
material
Iron
植栽内オブジェ object in shrubbery
山
Mountain
空間は形ある物質によってつくられるだけでなく、その形からつくりだす形以外の無の空間によって構成されます。カプーアは立体による新しい空間をつくりだしてきた作家です。欧米型の物質の量感をもとにしたり、空間の均質化にもとづいた構築的な空間ではなく、いわばアジア的な自然と精神の広がりをもちながらも、素材そのものの形や性質を大切にした空間をつくります。
アニッシュ・カプーア/インド・イギリス
Anish Kapoor/India・UK
1954-
1954年インドのボンベイに生まれ、73年以降ロンドン在住。80年代初期にグループ展などを通じて次第に知られるようになる。79年に7年ぶりのインドへの帰郷を果たし自らの文化的ルーツに再び触れた後に発表した鮮やかな原色の顔料に包まれた催眠的な美しさを持つ彫刻で注目を集める。カプーアの彫刻は、ミニマリズム的な物質性や知性の論理を模索しながらも、生殖や官能性を感じさせる有機的なフォルムを持ち、作品自体が官能や欲望といった衝動から生じる人間的情動の強烈さ、までも感じさせ、芸術が人間の存在そのものであることに思い至らせる。90年ヴェネチア・ビエンナーレ英国パビリオン、91年ターナー賞受賞、2003年大英帝国勲章CBE、2011年第23回高松宮殿下記念世界文化賞受賞。2012年にはロンドンオリンピックのためにイギリス最大のパブリックアート作品「アルセロール・ミッタル・オービット」を制作するなど、現在最も注目される彫刻家の一人。